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山口県の両生類・は虫類の概要

 山口県における両生・は虫類の総種類数は33種である。
両生類有尾目のうち、サンショウウオ類は県内の限られた場所に分布している。個体のみならず産卵場所も似たような傾向を示す。無尾目カエル類のうち、数種も同様な傾向にある。
 は虫類・有鱗目のうち、ヘビ類は両生類の分布と密接な関係にあることが通常である。実際、カエル類の生息する地域で普通に観察された種類もある。しかし、夜行性であったり、陰に隠れる性質を持ったりする種類では、生態の把握が難しく、今後の精査が必要である。有鱗目のうち、ヤモリ類は民家にも住み着いており、人の生活と密接に関係している。このうち、タワヤモリについては海岸部から山間部の岩場にも好む種類で、一部の地域のみの分布であると考えられられていたが、最近、瀬戸内海沿岸の各府県で生息が確認されている。本県でも、情報数は少ないものの同様に報告されている(岡田・大川,1994、村田,1998)。有鱗目のうち、トカゲ類・カナヘビ類については、各地で普通に観察された。カメ目のうちスッポンは、主に水中で生活しているため、十分な調査結果は得られなかった。しかし、県内各地で春から夏にかけて岸辺に上がり日光浴をしている個体が観察された。また、一部の個体は養殖場から逃げ出したものであるという情報も得た。カメ目のうちニホンイシガメは、調査結果で示すように、山際の限られた地域に生息している。このカメについては開発により、以前より生息地が少なくなってきている。また、ニホンイシガメとクサガメの両種の形態を持つ、いわゆる「イシクサカメ」も吸う個体確認された(徳本,2001)。これについては、2種の生息域が重なってきていることが示唆される。
 いずれにしても局所生息性を持つことの多い両生類・は虫類は、繁殖環境が変化すると、もはや他の場所へ移動することができず絶滅する危険性を持つことになる。
 特定の場所の生息が地史的観点から注目されるものに「見島(萩市)のカメ」がある。しかし、1997年度の調査では見島におけるニホンイシガメの生息は確認されていない(徳本・矢野,1998)。同様な意味で今回の調査によって明らかになったものに「角島(豊北町)および青海島(長門市)のカスミサンシヨウウオ」があげられる。(阿部,2001)また、現在記録に残っていて未確認種であった「タカチホヘビ」(徳本・山岡,2001)や、これまでにわずかにしか観察記録のないものに「オオサンショウウオ」、「ハコネサンショウウオ」がある。これらは、極めて発見しにくいものや局所性が高く、実地調査にかなりの困難をともなうものである。今後、長期にわたる調査を必要とする。
 さらに記述すべき事項として、 本来、外来種であったウシガエル、ミシシッピアカミミガメの生息が、県内ほぼ全域にわたって確認された。このことが在来種の生息にどのように関わっているかという観点から、調査する必要があることを実感した。
 「山口県の貴重な野生生物」(長谷・山岡,1995)に記されているように、環境破壊や農業様式の変化にともない、両生類・は虫類のある種については個体数の減少が目立つものもあることを考えれば、今後もその傾向をたどるであろうことは容易に推測できる。今回の実地調査記録を明確に残すことによって、野生生物の絶滅を救うきっかけとなれば幸いである。
 

 

(凡 例)
 
1 作業分担
(1) 調査分担
分布、文献、標本に関する調査については以下のものが担当した。
(氏名は五十音順)
阿部弘和(山口大学教育学部助教授)、岩尾康宏(山口大学理学部教授)、田中 進(山口生物学会)、徳本 正(防府市立右田中学校)、山岡郁雄(山口大学理学部教授)
(2) 執筆分担
両生類   山岡郁雄
は虫類   徳本 正
 
2 分布図について
選定種の一部について、県内における分布状況を、別途分布図に示した。

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