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科名 ヤツメウナギ科
和名 カワヤツメ
学名 Lethenteron japonicum (Martens)
山口県カテゴリー 情報不足
環境省カテゴリー
   
   

選択理由  県内では田万川からのみ確認されており、生息域がきわめて狭く、しかも遡上量が少ない。

形態 成魚の全長は40〜50cmで、口は顎がなく吸盤状である。鰓孔は7対で、鰓孔直後から肛門までの筋節数は68〜77である。第2背鰭の前外縁付近と尾鰭が黒い。上口歯板上の歯が2本、側唇歯3対であり、上口歯板上及び下口歯板上の歯は尖っている。

分布  文献によると、茨城県利根川水系・島根県江の川水系以北の本州と北海道に分布となっているが、田万川で採集されたことから田万川が西限となる。日本海側特に新潟県付近に多い。本種には5〜6月に遡上する群と、9〜10月に遡上する群との2群があるとされる。県内では田万川下流において、1978年10月に1個体、1988年10月に4個体が採集されている。県内で遡上が見られるのは、東部を日本海に流れる田万川に限られる。国外では、朝鮮半島・沿海州・サハリン・シベリア・アラスカに分布する。

生息・生育状況 県内では、確認個体数が少なく生息状況の詳細は不明である。アンモシーテス幼生は4年間川底の泥中に生息し、夜間に底泥上の有機物をろ過して食う。、4年目の秋から冬にかけて変態し、幼魚は翌年5〜6月に降海する。変態後の海中生活期には口の吸盤で他魚の皮膚に取りつき、唇歯とピストン運動する舌歯によって皮膚を突き刺し、口腔腺液を注入して血液の凝固を防ぐとともに筋肉を溶かし、筋肉と血液を共に吸食する。2〜3年間海で過ごした後、再び河川に遡上して産卵し、産卵が終わると斃死する。産卵場は河川中流域の淵尻や平瀬であり、主にオスが産卵床をつくる。河川に遡上した成魚は大きな障害物の下などに隠れて生活し、餌はとらない。  ビタミンAを濃厚に含み、古くから夜盲症の薬として知られている。

近似種 日本に生息するヤツメウナギ科魚類として、本種の他にミツバヤツメ、シベリアヤツメ、スナヤツメが報告されている。ミツバヤツメは上口歯板上の歯が3本、側唇歯が4対でそれぞれ本種より多い。シベリアヤツメでは、成魚は全長が15〜19cm、鰓孔直後から肛門までの筋節数は65〜73、下口歯板上の歯が鈍く、第2背鰭の前外縁付近が黒くないのでカワヤツメと区別できる。スナヤツメの成魚は、全長が14〜19cm、鰓孔直後から肛門までの筋節数が57〜65、上口歯板上の歯が鈍く、尾鰭が淡色であることなどからカワヤツメと区別される。

学術的価値 山口県(田万川)が分布の西限になっており、生物地理学的に興味深い円口類である。また近年、降海せずに成熱する集団が東北地方において確認され(Yamazaki et al., 1998)、生活史においても興味深い点が多い。

減少原因 分布の西限に当たっているため繁殖集団として安定していないことや、河川横断構築物(取水堰)による生息条件の悪化によって、本種の遡上が妨げられることなどが減少の原因とも考えられる。

参考文献  青柳 1957, 藤岡 1991, Iwata at al. 1985, Iwata・Hanada 1986, 川那部・水野 1989, 川那部・水野 1989・1990, 宮地ほか 1976, 中坊 2000, 佐藤 1951, Yamazaki et al. 1998, 山崎・岩田 1997
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