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活動報告

環境学習講演会要旨
2008年2月14日

 平成20年2月9日(土)、山口県セミナーパークにて、大林 宏 氏(フジテレビ解説委員)による環境学習講演会が開催されました。
 以下講演の要旨をお知らせします。

[要旨]
 イラク戦争を取材するため、隣国のクウェートに滞在することになった。
 クウェートは砂漠地帯でありながら、市内を走る道路の中央分離帯には花が植えられ、郊外の道路から遠く所々に緑の森が出現し、全て潅がい用水道のパイプラインが敷設してあるという。クウェートでは、国王の強いリーダーシップで緑化事業が行われている。
 日本国内に目を向けると、石原東京都知事のディーゼル車規制が上げられる。都知事の「首都圏の空気をきれいに!」の声に、千葉・埼玉・神奈川も条例によりディーゼル車排出ガス中の粒状性物質が基準に満たない車両の走行を禁止した。
 一方、もう一人の政治のリーダー小泉元首相は、クールビズ・ウォームビズを推進した。環境省の調査によれば、クールビズでは2007年には114万tのCO2が削減され、取り組みはウォームビズと併せて企業や家庭に急速に広がっている。

 電気事業連合会によると、電力会社はCO2削減の取り組みで、2億1000万KWの電力量削減を実現した。しかし、さらなる削減の切り札となる原子力発電は、建設や稼働に地域住民が難色を示し、風力などの新エネルギーはコストが高い事が普及を妨げ、一層の削減には至っていない。
 また、電気事業も含めた産業界では、第一次・第二次オイルショック、中東戦争、イラン・イラク戦争などの経験から、石油代替エネルギーの必要性を、CO2削減のためでなく中東情勢不安に対するエネルギー確保の視点で考えている。
 しかし、エネルギーは環境と密接に関わっている。IPCC第4次評価報告書によれば、地球温暖化は疑う余地もなく、原因は人間活動によるエネルギー消費にあるとし、温暖化問題は一気に注目され始めた。

 温暖化の原因は、温室効果ガスがわずか100年の間に急激に増え続けたことによる。IPCCによれば、最悪のシナリオを想定した場合、気温は今世紀末には6.4℃上昇するとも予測され、伝染病蔓延による健康被害、食生活への影響、動植物など生態系への影響、海面上昇による被害などが深刻化するであろうとしている。 
 我々人類は産業革命以降、工業の発展により便利で豊かな生活を営むことが出来るようになったが、多くの化石燃料を消費しCO2を排出し続けた。世界は持続可能な経済発展を続けるべく、温暖化防止のための約束として京都議定書を発効したが、大量消費を見直しCO2削減を実効するためには、省エネ・省電力などの新技術の導入、環境税の導入、自治体支援など削減のための制度の拡充、ライフスタイルの改善、リサイクルの推進などに取り組むことが重要である。
 自治体等がすでに推進しているISO:14001の取得やゴミの分別収集などや、企業の取り組みによるレジ袋の有料化など、様々な温暖化防止活動が実践されているが、今後は、さらに省エネ活動などにより家庭での削減にも積極的に取り組まなければならない。また、自動車は、全CO2排出量の20%以上を占めており、インフラ整備の問題はあるが燃料電池自動車・水素自動車・バイオエタノール車などの普及が待たれる。

 毎日新聞の調査によれば、「温暖化防止のために生活レベルを下げられる」と答えたのは49%で、「出来ない」の41%を上回った。また、温暖化問題に「関心がある」と答えた人は89%に達した。
 環境問題の解決には、我々一人ひとりがより一層の努力をしていくべきで、それは、科学技術の進歩と私たちの生活が両立されて実現できるものである。