「椹野川河口域・干潟自然再生協議会」会議

第22回 平成29年4月29日(土) 開催概要 議事要旨 資料ダウンロード

「第22回椹野川河口域・干潟自然再生協議会会議」議事要旨

日 時 平成29年4月29日(土)9:30〜11:00
場 所 旧山口県漁業協同組合吉佐支店山口きらら支所
出席者 50人(委員28人+その他22人)

T 会長あいさつ

 本会議は、今年度1回目、通算で22回目です。
 本日は、昨年度から取り組んでいる環境省の地域循環共生圏構築事業について、前回の会議での皆様からのアイディア等を踏まえ、事務局から今年度の方針案等が示されます。12年間活動を続けてきましたが、画期的な見通しが得られていない状況で、自立して活動を継続できる仕組みを構築しなければならないという正念場を迎えています。今後の協議会の発展に向け、皆様の真剣な議論、御協力をお願いします。

U 議題

(1) 平成28年度活動報告
 @ 平成28年度活動概要【事務局】
 A 平成28年度地域循環共生圏構築事業【事務局】

(2) 平成29年度活動計画(案)
 @ 平成29年度活動概要【事務局】
 A 干潟再生活動(AQUA SOCIAL FES!! 2017)【事務局】
 参加申込み状況について
過去最多の419人(4.28時点)が参加する。
参加者の構成を昨年度と比較すると、「一般申込み」が大きく増加しており、 地域の活動として拡がりをみせていることがわかる。また、水産大学校、山口大学、山口県立大学の学生、企業ではトヨタ自動車の関連企業、伊藤園山口支店、積水ハウス山口工場から、多くのボランティアに参加いただく。
 活動内容等について
山口大学の山本委員から、ドローンで撮影した南潟の上空写真、地盤高の資料を提供いただいた。西側の2011年、2014年に設置した被覆網周辺に砂が堆積し、地盤高が他の場所に比べて高く、干出時間が長くなっている。
これは、被覆網を長期間設置していることが原因の一つと考えられるため、計7枚の網を撤去し、地盤高の調整を図る。ただ、この網下にはアサリが多く確認されているため、耕耘後の区画に移動させる予定(3cm以上のアサリは、間引く)。
耕耘は、Aの区画で横30m×縦20mを実施する。
全ての被覆網を交換し、東側に母貝団地を増設する。
現在の3m×5.5mの網は、冠水時に網が浮いて隙間から食害生物が侵入するおそれや、サイズが大きく交換の作業負担が大きい。そこで、同じ目合いで、2m×2mのサイズの網の四方に結束バンドで鉄筋を取り付けたものを設置しその効果を検証する。これは、昨年度に環境保健センターの事業で研究をされていた手法で、その知見を活用させていただいたもの。
今後、市販の安価なネットでの代用などを検討していきたい。
 <意見等>
1) アサリを移動させる地点(耕耘区)のアサリ個体数は?
 周辺のモニタリング結果から、地点26-1だと1720個。
 砂が堆積した地点のアサリ個体数が多いので、むしろ底質の環境が良く、移さない方が良いかと思ったが、移す先の結果もそう悪くはないようだ。網をはずした場所は、今後、砂がどのように動いていくか観察してほしい。また、参加人数が多いので、堆積した砂を耕耘区に移動させても良いのでは。
 砂の移動については、山本委員からも同様の意見をいただいた。作業量がかなり増えるので、今回は行なわないこととした。
2) 砂の堆積は、2〜3年前の大水が影響しているのだろうか。
 平成23年頃の大きな台風が影響していると思う。また、網を撤去する地点は、2月から春にかけて3cm以上のアサリがかなり痩せてしまっている。そのことからも、地盤を少し下げるべきだと思う。
3) 地盤が高くなっている場所は、平成15年度にはぬかるんで歩けないような底質だった。平成16年度に台風が多く来た際に、岸側にあった砂が動いて今のような状況になった。台風のように大きなイベントがあると、干潟の底質が良くなることがある。
4) 参加者が大きく増えたが、どのような広報をしたのか。
 仁保・二島・秋穂地域交流センター、道の駅仁保でのチラシ配布依頼、二島地区の会報誌への募集掲載を行った。
 B 平成29年度地域循環共生圏構築事業
 事業計画(案)について【事務局】
◆  事業全体について
 ・ 事業自体の方向性等は昨年度と変わりない。今月27日、28日に全国の活動団体が集まり、説明会と合同打合せが行われた。これを踏まえ、6月中に実施計画書の作成、取組の評価指標の決定等を行い、いであ株式会社と連携協定を締結する。来年1月に報告会が開催される予定。
◆  各取組について
 ・ プラットフォームづくり:ワーキンググループの再編、委員の拡充等を行う。WGの再編は、個々の委員では困難となっている活動や、干潟の調査研究等を継続・発展させていくこと、また、環境省事業を効果的で、動きやすい体制で進めていくことを目的としたもの。
 ・ 経済的仕組みづくり:活動に必要な資金を獲得するため受け皿として、募金の創設を目指し、資金の適切な運営、管理に必要な体制整備を行う。
資金獲得の仕組みとしては、椹野川流域の特産品等を活用した寄付付き商品の開発を進めていく。
 ・ 人材育成:ボランティアの組織化、幅広い情報発信を進める。また、人材や寄付金の獲得を拡大するため、親水活動を推進し、活動の広報等を拡大する。
 <意見等>
1) 設置当初から稼働していないWGがほとんど。この機会に整理するのは非常に良い。環境省事業では、協議会の内部を整理するという意味でプラットフォームづくりに入れているという理解で良いか。
 貴見のとおり。
2) WGを整理することによって、今まで以上に議論が行われるという道筋も大事。忙しさもあり、なかなかうまく稼働しない。
3) 協議会に参加していない委員が多い。WGの整理は良いことと思ったがこれまでのように、事務局の負担が増えるだけのものにならないよう、どんどん委員を巻き込んでほしい。
4) WGは、委員外の方も入ってもらうかなど、ルールづくりが必要と思う。委員の拡充は、特に個人への働きかけが重要。
5) 事業に大きく関わる里海づくりWGが最も重要。しかし、実際に一番大事なのは干潟WG。アサリの漁獲量は20年近く「0」が続いている。現在の干潟耕耘のような活動のままでは長続きしない。積極的に活動を進めてほしい。環境学習WGでは、小学校への働きかけを進めてほしい。
 アサリ資源量調査等における環境DNAの活用について【後藤委員】
 ・ 近年、環境中の生物の痕跡(糞やうろこ等)からDNAを抽出し、解析することで生物調査を行う研究が進んでいる。千葉県立博物館の研究では、バケツ一杯の水で、そこに棲む魚の種類が全てわかるなどの成果が出ている。
 ・ 労力を必要とする現在のアサリモニタリングの簡便化が期待できる。また、DNA抽出までの手順は非常に簡単で、一般の方にも調査に参加いただける。
 ・ 佐波川の鮎の調査では、放流された鮎が狭い範囲で留まっていることなどが示唆された。
 ・ 今後の検討課題として、DNA量がどれだけの範囲の生物量を反映しているか、干潟ではいつ時点の海水を採取するか、アサリ資源量や生息場所の推定ができるか等がある。また、個々の個体の情報はわからないので、他の調査との併用を検討する必要がある。
 <質問等>
1) 瀬戸内海区水産研究所でも同様の研究をしている者がいる。鮎は単年性だがアサリは多年生で重量が大きく変わる。資源量の調査に用いるのであれば、いろいろと検討しなければならない。
 御意見のとおり。コホート解析の面で検討の余地がある。また、水温等との関係性にも留意する必要がある。
2) コストは。
 20検体で3〜4千円程度(人件費は除く。)。
3) いつの時点の海水を採取するかが重要と思う。この手法が全国に広まるよう期待している。
 泥を検体とすることも検討する。全国に手法を広めるためには、サンプリングが簡便であることも重要。
4) アサリ漁獲量を安定させるためには、幼生の発生量が重要。地点による幼生量の違いや、母貝(幼生)が多い地点の特定ができ、被覆網の設置場所の検討に活用できればと思う。
 検討していく予定。その他、フィンガープリントを併用すれば産地等の推定が可能と思う。

(3) その他(山口湾の栄養塩管理について)
 ・ アサリの漁獲量の減少には、様々な要因が関係している。主要な原因は、植物プランクトンの量が大きく減っていること、温暖化による食害、浅場の埋立てだろう。工場排水や生活排水から窒素やリンの負荷量が減少し、特に瀬戸内海の西部地域で貧栄養な状況。象徴的なのが、山口市のし尿処理場で、処理水を飲めるぐらいきれいにして排水している。昔は、汲み取りし尿を畑に撒き、雨によって栄養分が畑から川、海に供給されていた。しかし、現在は、し尿処理場や下水処理場の処理汚泥は、セメント原料として利用され、環境中に戻らない。冒険的な提案だが、消化脱離液をバキュームカーで干潟に施肥してはどうか。それくらいやらないと、アサリの生産量は回復しない。市民が時々集まって耕耘等をやるくらいではらちがあかない。若い人が希望を持って漁業をやってみようというような海にならないと、持続可能とは言えない。
 ・ もっともだが、まず、山口湾の負荷量がどれだけ減っているか等のデータ解析が必要。工場排水の負荷量の減少が一番影響しているとは思う。瀬戸内海で見ても、アサリが減ったのは事実であるが、なぜ減ったのかはわかっていない。栄養塩管理の見地から、もう少しアカデミックな解析が必要である。大学の卒業研究のテーマでやってみても良いのでは。


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